京都の歴史と文化 映像ライブラリー

民俗芸能・伝統芸能

京都をつなぐ無形文化遺産 ─やすらい花─

 京都をつなぐ無形文化遺産「京の年中行事」の紹介映像。
 本作品で紹介するのは、国指定重要無形民俗文化財「やすらい花」。京都市北区の紫野(今宮やすらい花)、西賀茂(川上やすらい花)、雲林院(玄武やすらい花)で毎年4月第2日曜日に、上賀茂(上賀茂やすらい花)で毎年5月15日に行われる。
 古来、春に花が散る際に疫神も飛び散ると言われ、その疫神を鎮める行事として行われている。江戸時代には3月10日に行われ、花を飾った風流(ふりゅう)花傘を中心に行列を組み、町の辻々で踊りながら今宮神社境内の疫神社に送るというものだった。現在、4つの地区で伝承されており、シャグマを被った鬼が鉦(かね)や太鼓を打ちながら、笛と歌にあわせて踊る。また、風流花傘の中に入ると厄除けになるという信仰があり、沿道の人々でにぎわう。平安時代後期の「梁塵秘抄口伝集」や鎌倉時代の「百錬鈔」には、久寿元年(1154)3月にこの行事が行われた様子が記されている。
 「京都をつなぐ無形文化遺産」とは、京都に伝わる無形文化遺産の価値を再発見、再認識し、内外に魅力を発信するとともに、大切に引き継いでいこうという気運を盛り上げるため、京都市が独自に創設した制度。第1号は、平成25年(2013)10月選定の「京の食文化」で、「京の年中行事」は平成30年(2018)3月に選定された(第6号)。
■製作年月:平成31年度(2019)3月
■製作:京都をつなぐ無形文化遺産普及啓発実行委員会
■制作:株式会社響映KYTOTO SCAPE、株式会社ビジョンエース(撮影・編集)
■15分15秒
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