京都の歴史と文化 映像ライブラリー

民俗芸能・伝統芸能

京都の盆踊り ─紅葉音頭─

 京都市登録無形民俗文化財「修学院大日踊・紅葉音頭」「上賀茂紅葉温度」の記録映画(原版は16mmフィルム)。京都市左京区修学院の鷺森神社の御旅所でもある七町会館の前で毎年8月27日に、京都市北区上賀茂の賀茂別雷神社(上賀茂神社)の鳥居前で毎年9月9に近い土曜日に行われる。
 修学院では、8月27日は大日盆の日で、その夜に踊られる。七町会館の広場中央に櫓を設け、観音経の一部が記された切子灯籠が1基吊られる。19時半頃、三幅前垂姿の女性たちが「にわか踊り」によって屋台を囲む輪をつくる。輪が調うと、団扇を手に持ち、太鼓に合わせて題目(南無妙法蓮華経)による「題目踊」を踊る。その後、太鼓を用いずに音頭取の声に合わせて踊る「紅葉音頭」では、「東下り」「近江八景」などの曲が歌われ、男女が混じって踊る。
 上賀茂神社の鳥居前でも、櫓を設ける。紅葉音頭とは、江戸時代に流行した口説き調の音頭で、流行歌や歌舞伎の台詞などの影響を受けているとも、御所に由来する音頭であるともいわれる。楽器を用いず、音頭取りの音頭に合わせて、三幅前垂に襷がけ、手拭で姉さんかぶりをした女性たちと、浴衣姿の男性たちが輪になって踊る。「紅葉の錦」「近江八景」「里の秋」「川づくし」などがある。
 本作品では、「修学院大日踊・紅葉音頭」「上賀茂紅葉温度」の順に紹介している。
 本作品の製作時には、修学院では踊の前に金平糖を肴とする盃事が行われていたが、現在は省略されている。また、上賀茂では重陽の節句(9月9日)の前日の晩に行われていたが、現在はそれに近い土曜日の晩となっている。
■製作年月:平成5年(1993)1月
■製作:京都市文化観光局(企画)
■制作:KBS京都、アート・プラザ
■15分48秒
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