京都の歴史と文化 映像ライブラリー

「京の郷土芸能まつり」公演

第31回(3) 上狛精霊踊・花笠踊り・六斎念仏

第31回京の郷土芸能まつり3 上狛の精霊踊/久多花笠踊/久世六斎念仏
〇上狛の精霊踊 京都府木津市山城町上狛 8月14日 京都府登録無形民俗文化財(約18分)
 山城町の南部に位置する上狛地域は、高句麗に由来する地名で、この地域をおさめた狛一族の史跡が多く残っている。「郷(ごう)」と呼ばれる5つの踊りのグループがそれぞれ盆供養の踊りとして「しょうらい踊」を伝え、盆の14日になると初盆を迎えた家々をめぐって精霊供養を行ってきたが、近年はこの継承も難しくなってきている。
〇久多花笠踊  京都市左京区 8月 国重要無形民俗文化財(約12分)
 京都市左京区の山間の久多に伝わる灯籠踊。菊、あやめ、朝顔、ダリヤ、ばらなどを和紙や灌木の芯でつくる花づくりや意匠を尽くした行燈の透かしをつくる灯籠づくりが花宿で始まり、この花笠灯籠を手にもった男性たちが、太鼓や鉦の音と伝承されている音頭にあわせて踊りを奉納する。
〇久世六斎念仏 京都市南区 8月のお盆前後他 国重要無形民俗文化財(約25分)
 六斎念仏は、平安時代空也上人が、民衆に信仰を広めるために、鉦や太鼓をたたいて踊躍念仏を始めたのが起こりといわれ、後に仏教でいう六斎日に行われたことから、六斎念仏とよばれるようになったと伝えられる。江戸時代中期から次第に風流化し、現在では六斎日とはかかわりなく、盆の行事を中心に行われる。六斎念仏には、古風で素朴な干菜系六斎と芸能化し、娯楽性をもった空也系六斎の二つの系統がある。