京都の歴史と文化 映像ライブラリー

民俗芸能・伝統芸能

久多の花笠踊

 国指定重要無形民俗文化財「久多の花笠踊」の記録映画(原版は16mmフィルム)。京都市左京区久多で毎年8月24日に行われる。
 5月5日の午祭(うままつり)で志古淵神社にかけた祈願の願ばらしとして、8月に行われる風流(ふりゅう)の燈籠踊り。久多の5か町それぞれに花宿を定め、8月14日から村の男性が集って精巧な造花を作る。8月24日の晩、上の宮神社から大川神社を経て志古淵神社に練りこむ。志古淵神社では、先番3曲、後番4曲の計7曲が披露され、上組(上の町と中の町)と下組(下の町と宮の町と川合町)が毎年交互につとめる。歌は、室町小歌の流れを汲むもので、上組と下組あわせて130番余りの歌の詞章が残されている。
 本作品では、映像には注記がないが、戦後途絶えていた子供の踊り(頭に燈籠を載せる)を試験的に復活させてた点と、途中で雨が降ったために後半は拝殿に上がって踊った点、当時は8月15日に24日と対になる曲目が踊られていた(花笠は用いない)が行われていたが一切紹介されていないことなどについて、留意が必要である。
■製作年月:昭和48年(1973)12月
■製作:京都市文化観光局(企画)
■制作:京都映画株式会社(製作)
■16分11秒
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