京都の文化財を守る会”ボランティアで当財団主催の非公開文化財特別公開事業の参観者に文化財の説明をされる筆者

京都の文化財を守る会は,昭和43年11月3日に京都府教育庁文化財保護課が実施する移動文化財講座の参加者を募集するため設立され発足した団体です。設立時は,京都市内は各行政区別に,府下は丹波地区,丹後地区,南山城地区等郡部の地区別に分けられ計13グル−プで発足しました。当初は,500名程度の会員が登録されていた様です。各地区に幹事,副幹事を置き,各地区の研修会の業務は文化財保護課に属する京都府文化財保護基金所属の方が事務局としてお世話いただきました。
  発足から今日まで会員が“文化財を愛する”という考えを熱心に実行し,熱意をもって行動してきました。今年で設立43年となりますが,長年にわたり活動を続けられたのも会員各位の熱心な努力のたまものと思います。
  平成元年迄は,京都府出身の方々が会長職をつとめられておりましたが,自主運営の民間組織として行動する様指導をいただきました。
  発足時より幹事や副会長として,故柴田俊治氏が民間組織初代会長に就任し,民間団体として平成元年5月より活動を始めました。平成7年より2代目会長として笹池正二氏が引継がれて活発に活動していただきました。平成13年より3代目会長として,私が引継ぎ現在に至っております。会員皆様方の熱心なご協力により京都の文化財関係の団体として根付いていると思っています。行政区制割を集約し平成11年度より支部を4支部にまとめました。内訳は,次の通りです。
 
  北支部  京都市北区,上京区,左京区
  中支部   〃 中京区,下京区,南区,右京区
  東支部   〃 東山区,山科区
  西南支部  〃 伏見区,西京区,西山地域,南山城地域,丹波丹後地域

  各支部には,支部長,副支部長2〜3名を置き,各支部の企画運営を行っています。各支部内では,年間3回程度の研修を行い,他支部からの協力や参加案内を出して活動しています。最近2年間の各支部研修活動の一部をピックアップし報告します。
  『北支部』では,●西の京川井家住宅,奥渓家住宅●京都ハリストス正教会●日本写真印刷(株)「ニッシャ」印刷資料館●「岩澤の梵鐘」工場見学
  『中支部』では,●奥嵯峨方面・嵯峨鳥居本町並み保存館他●木屋町界隈の幕末史跡めぐり,日本銀行京都支店●松尾大社・華厳寺・地蔵院●山科随心院・醍醐天皇陵
  『東支部』では,●山科の歴史と史跡概要・山科本願寺の歴史等,支部長宅でスライドを見ながら研修●日野法界寺・日野誕生寺・日野家墓●大津京と周辺史跡,近江神宮・時計館・宝物館・南滋賀廃寺跡,古墳群歴史探訪●元慶寺周辺・清閑寺・六条高倉天皇陵・清水周辺の史跡文化財探訪
  『西南支部』では,●慈照寺(銀閣寺)・浄土院・八神社●奈良・平城遷都1300年会場周辺●亀岡市・愛宕神社・丹波国分寺跡・養仙院・神応寺●黄檗山萬福寺と塔頭宝蔵院
 以上の様に,普段なかなか見学出来ない所もあり参加者には良い勉強をさせてもらったと喜ばれ好評な行事が多くあります。
  平成6年には,「古都京都の文化財」として17社寺・城が世界遺産の文化遺産に登録されました。登録基準は5つある中のAとCに該当します。以下,AとCについて説明します。Aは,ある期間あるいは世界のある文化圏において建築物,技術記念碑,都市計画,景観設計の発展に大きな影響を与えた人間的価値の交流を示していること。Cは,人類の歴史の重要な段階を物語る建築様式あるいは建築的または技術的な集合体,あるいは景観に関するすぐれた見本であること。登録された17社寺・城は,●鹿苑寺(金閣寺)●教王護国寺(東寺)●清水寺●醍醐寺●本願寺(西本願寺)●宇治上神社●平等院●二条城●慈照寺(銀閣寺)●天龍寺●西芳寺(苔寺)●賀茂別雷神社(上賀茂神社)●賀茂御祖神社(下鴨神社)●龍安寺●仁和寺●高山寺●延暦寺です。文化財の宝庫として知られている我々の住んでいる京都には,登録された社寺・城以外にも立派な社寺が沢山あります。『京都の文化財を守る会』も世界遺産を巡回する計画を本部主催で立案し,数年かけて研修を行いました。会員有志の説明を受け,各社寺・城を巡回しました。西芳寺(苔寺)では,般若心経の写経を体験し,般若心経を3回唱えたあとご住職の講話を拝聴しました。このあと,庭園を散策した日の印象が強く残っています。
  本部では,年間行事として総会と研修会(講演,見学会等)秋の本部研修会(バス利用社寺等見学会等)を行っています。
  又,活動の一環として,京都市文化観光資源保護財団主催の未公開寺院の特別公開,修学院離宮の特別参観,文遊廻廊「平安京を巡る」「京の町家を訪ねて」等の事業に協力し,当会のボランティア部員が受付,誘導,説明等を行ってきました。未公開寺院の特別公開では,現在も継続的に春は,椿の「尼門跡寺院 霊鑑寺」,秋も紅葉の霊鑑寺に協力し,その他主催される公開事業や研修会等に参加協力しています。
  我々の先輩諸氏の守り育て伝えてこられた文化財は,私達の生活の中に生き続けていきます。文化財保護憲章にもうたわれている様に,ふるさと京都の文化財を大切に,うるわしい自然とその景観を守り,伝統を受け継いで新しい文化の創造に努め,郷土愛に結ばれて文化京都の発展につくす様に活動していきます。
  最後になりますが,当会も発足時からの会員は少なくなり,その後会員となられた方々も年を重ねています。
若い世代の文化財に興味のある方々が会員となり,好きなことを継続して文化財保護の活動を積極的に進めて,京都の文化財を守る意識を高める人達が多くなることを願っています。

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